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2007年10月 アーカイブ

2007年10月11日

機動戦士ガンダム00 #1ソレスタル・ビーイング

さていよいよ始まりました、機動戦士ガンダム00。私もこれからの展開を見守りつつ、1ファンとしてこちらでいろいろ書いていこうと思います。
大体は各話の感想や分析、今後の展開予想と、キャラやメカについての話になるでしょう。なので特に、タイトルが各話サブタイトルになっている記事はまだ観ていない方にはネタバレにしかならないのでご注意です。もし読んでネタバレしてしまっても当方は責任は持ちません。と言っても、大抵の場合は、ここに書いた事を踏まえてもう一度本編を見直して頂けたりすると更に楽しめるような内容になるのを目指すつもりですのでよろしく〜。

それでは今回は、第一話「ソレスタル・ビーイング」について。
細かく書いていこうと思ったら物凄い分量になったので、ストーリー部分に絞って、今回の解説と今後の展開的に重要になりそうな部分だけ抜粋してお送りします。
第一話は各キャラとガンダムのお披露目です。同時に、この世界の大まかな情勢とテクノロジー、戦闘方法についてもある程度わかるようになっています。

アバンタイトルは西暦2301年、クルジス共和国。刹那の幼少時が描かれています。ここで重要なのは、子供でさえ銃を手に戦わなければならない状況、そして刹那のセリフ「この世界に神なんていない」です。容赦なく無残に命が奪われる現実。刹那はこの世界には救いは無いと考えました。そして死を覚悟したまさにその時、天空からの謎の光線によって敵は滅ぼされ命を救われます。そして舞い降りる光をまとった巨人。我々にはGNエンジンを搭載したガンダムだとわかりますが、当時の刹那にはまさに神か天使と思えたことでしょう。これが刹那をソレスタル・ビーイングに参加させ、ガンダムマイスターへの道を歩ませるきっかけとなったのは間違いないでしょうから、これは後々刹那の言動に重要な意味を持つ筈ですので要チェックです。(余談ですが、CM-SPOT4を観た際には、このガンダムのシーンはラストカットのロングしかなかったので、武装以外はRX-78とほとんど同じものに見えました。最初のガンダム、この機体のパイロットとして古谷徹さんが呼ばれたのではないかと期待してたりします(笑))

第一話の本編は、ソレスタル・ビーイングの最初の作戦を軸に、ソレスタル・ビーイングの宣戦布告を描きます。
今作戦の最終目的は、ソレスタル・ビーイングのメッセージを全ての人類に対し伝え、強烈にアピールすること。その為には、自分達の言葉に真剣に耳を傾けさせる必要があります。そこで目を付けたのが人革連軌道エレベーターの送電開始10周年記念式典でした。この式典は、エネルギーのほとんど全てを軌道エレベーターに依存している人類にとってはとても大切な出来事でしょう。各国のマスコミも注目している盛大なものです。そのマスコミの眼前で、武力の行使に対してガンダムにて鉄槌を下してみせれば目的を達成できます。
しかし、その為にはまず記念式典に対しMSを使用した大掛かりな攻撃を行わせる必要があります。そこで目を付けたのが、軍備拡張路線を行くAEUでした。現在はそれぞれの陣営の主要国家間で直接的な戦争は行われていませんが、AEUは式典当日に新型機の発表会をぶつけてくるほど豪気です。人革連との関係は推して知るべしといったところでしょう。このAEUを動かす為の作戦が立案されました。
作戦は3つのフェイズで構成されています。

第1フェイズ
AEUの最新鋭機イナクトの発表会に乱入、ガンダムによりこれを撃破する。
人革連の式典にぶつけてくる程です、イナクトの開発にAEUの威信がかかっていない筈がありません。この際、会場に集まっている各国軍事関係者の前で圧倒的な性能差を見せ付ければ、AEUの面子を丸潰れにすることができます。わざと完全撃破せずに戦闘不能にできれば、この効果は更に大きくなることでしょう。そこでこの作戦には白兵戦型のガンダムエクシアが選ばれました。

第2フェイズ
フェイズ1から継続される第二段階です。軌道エレベーター周辺のAEUの戦力及び、可能であれば、条約で禁止されている軌道エレベーターの柱(ピラー)部分へ配備されていると予想される兵力を投入させ、これを撃破する。
その為エクシアはイナクトを撃破後、高度を上げてピラーへ接近します。GNエンジンを稼動させて飛行している限りレーダーには捉えられないので、その姿を常に晒して存在を認識させる必要もあったのでしょうし、AEUの支配地域で悠々と飛行して見せれば、AEUの怒りを買うのも容易です。敵対機が最重要施設であるピラーへ接近しているとなると尚更です。事実、予報(敢えてこう呼ぶ)通りAEUはスクランブルをかけてエクシアを追尾、ピラーの兵力も投入してエクシアの撃墜を企てました。しかし空戦となると射撃戦がメインになります。更にピラーの兵力も投入された場合、白兵型であるエクシアには少々荷が重いのは自明の理。そこでバックアップとして超長距離狙撃型であるガンダムデュナメスがバックアップに配備されました。

第3フェイズ
フェイズ1、2の結果として、面子を丸潰れにされたAEUは報復行動に出ます。対象は勿論人革連。元々関係が良くない上、あてつけに行ったイナクトの発表会を潰されたのですから、そう考えるのは自然の流れでしょう。しかしその確証もありません。そこで、自分達がやられたのと同じ様に、記念式典をぶち壊して人革連の面子を潰す選択をします。しかしこの程度で宣戦布告するほど愚かでもないので、正式な軍事行動は当然行いません。自らなり、兵器を輸出することによって影響力を持っている第三国に働きかけてテロを装うか、(これが最も可能性が高いのですが)極秘支援しているテロ組織を利用するなりして、人革連の軌道エレベーターへの攻撃を行うこととなります。
フェイズ3の目的―すなわち今作戦の最終目標は、このテロ行為をマスコミの眼前で阻止すること。それが目的ですので、攻撃が行われる前に妨害なぞしません。宇宙空間でしかもギリギリのタイミングで、その姿を晒した上で阻止する必要があるので、この作戦には高速戦闘型のガンダムキュリオスが選ばれました。バックアップとして、攻撃力と防御力に優れるガンダムヴァーチェを軌道エレベーター近くにあらかじめ配置しておくことによって、万が一の保険にもしています。結果的にはトドメはヴァーチェによって行われ、マスコミの眼前で(少々やり過ぎなほど)派手にテロ機を撃破することになりましたが。

これが今回のソレスタル・ビーイングの作戦行動計画です。作戦立案は戦術予報士のスメラギさん。そして彼女の予報通りに事は推移し、ソレスタル・ビーイングは本来の目的を達成します。
しかし、その行為自体は到底褒められたものではありません。台詞や表情で推して知るべしですが、スメラギさんは自分の立案した作戦がそういうものだと認識した上で、今回は逃避として飲んだくれていましたね。
作戦として疑問に思われる方もいらっしゃると思うので一応書いておきますが、イナクトの発表会襲撃についてメディアで大々的に報道されることはありません。元々このような発表会が一般のニュースで大きく取り上げられることはありませんし、単なる恥さらしですのでAEUが自ら報道することもありません。特にフェイズ2の件はAEUは認めようとさえしないでしょう。しかし、発表会に来ていた各国の軍関係者はエクシアの能力を目の当たりにしましたし、AEUが過剰に軍備を整えているのも認識しました。この一件は無視できないものとして、世界は動き始めることでしょう。
ソレスタル・ビーイングのメンバー…少なくともガンダムマイスターとプトレマイオスのスタッフは、自分達が行っている行為が悪行であり、人類全てを試す、人類に対しての挑戦であると認識しています。メンバーはそれだけの覚悟を持って事に当たっています。三大勢力の軍関係者…というか、戦争が身近な人物はその存在自体が矛盾した組織と捉えましたが、どうやらメンバーはその行為が矛盾しているとは考えていません。明確な意思を持って、一見矛盾した行為を行っているのです。その真意がどこにあるのか、それは今後の展開として語られていくことでしょう。
また、平和ボケしていると思われる東京のキャラ達―おそらく我々視聴者に最も近いであろう常識を持つ彼ら―にはどう映ったのかまでは表現されませんでしたが、その辺りもどう描かれていくのかもまた楽しみなところです。


―ところで今回注目はイナクトのパイロット、パトリック・コーラサワーでしたね。いきなり美味しいところを全部持って行ってしまいました(笑)。

2007年10月14日

00#2のとりあえずの感想みたいなもの

機動戦士ガンダム00、第2話が放送されましたね。
来客とか出掛けたりとかで昨日中には書けませんでしたが、勿論ちゃんと放送時間にTVの前で観ましたよっ。
観ながら悲鳴上げてましたw
そのうちここで書こうと思ってたネタがバンバン本編で語られて行きますよっ!!
放送終わったら、一緒に同人誌作ってるちふくざわゆきさんに速攻で電話しますた。
終始「もうあれをやった!」「やっぱりこれもやった!」って話ばかりだったのですが。(笑)

ソレスタル・ビーイングの目的は最初の発表時からこれをやる気に違いない!って話してたので、内容そのものについては全く驚かなかったのですが、まさかこんなに早くこれを言ってしまうとは思ってもみませんでした。
これを明らかにするだけで1クールは使うと思ってたのに!!!
刹那の意識についても、こんなに早くここまで明確に描いてくるとは正直思いませんでしたよ(^^;
他にも、ハロの乗ってる理由とか、プトレマイオスのコンテナとか、GNソードの描写とか、この世界の策敵方法とか、小出しにしようと思ってたネタが…っ!?
こちらが思っていた以上に展開が早いので、これはのんびりやっている場合ではありませんでした。
スタッフがここまではっきり説明してくるなら、今のところ外れた予想は無いし、遠慮する必要もなさそうです。
もう少し本編の描写を見極めてから…と思っていましたが、こちらにどんどん書いていこうと思います。
描写が直接的過ぎて、待ってから書くと「何を今更」って言われそうだし(笑)

とりあえず、あと2〜3回は第2話を見返してから、第2話の感想と解説を書くことにします(笑)

2007年10月17日

戦車の装甲と、兵器の進化について

ちょっとした理由から、今回はちょっと毛色の違うお話など。
テーマは、戦車の装甲についてと、兵器の進化について。

第2次大戦の頃の戦車がわかり易いので、今回はそれを題材にお話しましょう。


まずは戦車の装甲について。
そもそも戦車の防御力っていうものは全体で均一ではなく、部位によってかなり異なっています。大まかに言うなら、前面は防御力が高く、側面や下面、上面や後面は低くなっています。
これは何故かと言うと。
大前提として、装甲材の強度が高ければ高いほど防御力は高くなり、更にそれが厚くなればなるほど防御力は上がります。
理想を言うなら、より強度の高い装甲材を使用し、なるべく厚い装甲で被えば防御力は上がる訳です。ですが、より強度の高い装甲材の開発はそうそうできるものではありませんので、主に装甲の厚さを増すことで防御力を稼ぐことになります。しかし、厚さを増せば増すほどに重量が増加し、重量の増加は機動力の低下や足回りの故障率の上昇に繋がってしまいます。その為、求める機動力から許容できる装甲重量がおのずと決まってしまいます。そこで、敵の攻撃を受け難い部位の装甲厚はなるべく薄くすることによって重量に余裕を作り、その重量分を攻撃を受け易い部分の装甲厚に廻すことによって防御力を向上させる努力が行われます。
このような理由から、先に言ったように部位毎の防御力の違いが出てくるのです。
今で言うところのMBT―主力戦車は敵主力戦車との戦闘を行う為に作られており、正面から撃ち合う事が多いので、その為前面装甲は敵主砲の攻撃を防御できるだけの防御力を求められます。結果前面装甲は厚くなり、攻撃を受け難い側面>後面という感じで薄くなっていく訳です。また、戦車戦は基本的に地面の上の2次元で展開される為、やはり上面装甲は薄くなっています。(戦車が航空戦力に極端に弱いのはこの為ですね。)
また、さまざまな装甲の種類によっても防御力の向上が図られていることは言うまでもありませんね。
というように、ある時点での最新鋭の主力戦車は前面からの攻撃に対してはほぼ絶対的な防御力を持たされています。
前面からの被弾でさえ防御できないようでは、主力戦車としては欠陥品なのです。
その為戦車戦においては、いかに相手の装甲の薄い部分を攻撃するか、つまりいかに相手の側面に回り込むかという戦いになります。
この、部位による防御力の違いってものは、重量との兼ね合いから現代でもその呪縛から解き放たれてはいません。
なるべく重量を軽く、なるべく防御力を高く、っていう試行錯誤と努力は現在でも続けられています。


次に、兵器の進化について。
「矛盾」ってお話は、おそらく知らない方はいらっしゃらないでしょう。
「どんな盾でも貫ける最強の矛」と、「どんな矛にも貫けない最強の盾」のお話です。
兵器開発は、まさにこの矛盾との戦いです。
言うまでもないことですが、矛は攻撃力を示し、盾は防御力を示します。
まず、敵はその最強の盾を持つと仮定します。(この段階では仮定で構わない)
※その盾を打ち破れなければ当然戦いに敗北します。
その為、その盾を貫ける最強の矛を求め、研究し、それを開発します。
しかし、自分達が作れた物です。やがていつかは敵もその最強の矛を手にするでしょう。
そうなると、今有る盾では身を守ることが出来ません。
そこで、その矛で貫くことが出来ない最強の盾が必要です。そしてそれを求め、研究し、それを開発します。
しかし、自分達が作れた物です。やがていつかは敵もその最強の盾を手にするでしょう。
※に戻る。以下繰り返し。
この繰り返しによって兵器は進化していきます。
第2次大戦当時の戦車の場合これは、矛の強化はより大口径の砲を搭載することでしたし、盾の強化はより厚く装甲を施すことでした。
現代に近付くにつれ、砲弾そのものの能力を変えたり、様々な概念、能力の装甲を開発していくことになります。
兵器には種別があり、求められる用途により枝分かれしていきます。まさしく生物の進化のように。
戦車っていう種別だけに限っても勿論それは当てはまり、第2次大戦時はシミュレーションではなく実際に戦場で戦闘を繰り返して進化していますので、調べて頂けるととてもわかり易いと思います。

2007年10月20日

機動戦士ガンダム00 #2ガンダムマイスター

先週末の放送からいろいろあり過ぎて、第2話の記事がギリギリになってしまいました。ひー。
という訳で、第2話のストーリーについて私の感想と分析など。

今回は、ソレスタル・ビーイングの初めての紛争介入を中心に、ソレスタル・ビーイングの理念とそれを発現するガンダムとガンダムマイスターというものがどういうものかが描かれています。また、第1話のラストと共に、人々がそれをどのように受け止めるかが描かれ始めています。

アバンタイトルは、ガンダムではお約束な世界観の説明ナレーション。
これが第1話の前に来ないところからも、第1話がプロローグだったことがよくわかりますね。
ここではこの世界のおおまかな構造と情勢、歴史の流れがわかるようになっています。
気がついた興味深い点が2つ。
1つは、人革連の軌道エレベーターが思ったより東(何とソロモン諸島北)に建っていたこと。軌道エレベーターは基本的に赤道上に建てるしかないのですが、日本とオーストラリアはユニオンに属しており、南米の軌道エレベーターからエネルギー供給を受けているのです。地図を見ていただけるとこれが如何に異常で歪な国際情勢なのかわかるのではないかと…。
もう1つは、アフリカ大陸の諸国がAEUに加盟していなかったこと。雑誌等の事前情報ではアフリカはAEU所属だったと思うのですが、そうではなかったのですね。ということは現地(おそらくコンゴ辺り)とそこからケーブルを通す途中の国々と何らかの条約を締結して建造しているのでしょう。AEUの軌道エレベーターは未だ建造中だという話もありますので、本格的な電力供給が始まった暁には、南米のようにアフリカ大陸の国々はAEUに加盟していくのかもしれません。AEUが第三国にMSヘリオンを大量輸出しているのも、影響力が必要なAEUの事情の表われなのでしょう。

本編は、第1話のラストからの続き、その夕刻からスタートです。
現段階の人々にとって「ソレスタル・ビーイングとは何なのか?」を提示しています。
東京の2人の会話から、大多数の一般人はソレスタル・ビーイングの存在そのものに疑問を抱き、気楽に正義の味方と捉える者もいることが描かれます。
しかし各国首脳はガンダムの介入を目の当たりにしていますので、その存在には疑問を持ってはいません。ガンダム程の高性能MSを造るには高い技術と資金が必要ですので、むしろその背後にどの勢力が関与しているのかが重要と考えています。少なくとも、ソレスタル・ビーイングの示した「利益を求めない」という言葉は信じてはいません。
一方、ユニオンのパイロット、グラハムは、言葉の上ではソレスタル・ビーイングよりもガンダムそのものに興味を持っているところがパイロットらしくて面白いところです。

そして始まるソレスタル・ビーイングの2ndミッション。
旧スリランカ、セイロン島の紛争に武力干渉します。初の紛争介入であり、ソレスタル・ビーイングの理念に基づく最初の作戦でもあります。第1話で描かれた作戦はあくまで世界に対してメッセージを強烈に発信する為にのみ行われており、彼らの理念を発現したものではありませんでした。
しかし今回は、ソレスタル・ビーイングの紛争介入というものがどういうものなのかを明確に示すものとなっています。
この紛争は、シンハラ人とタミル人の民族紛争に人革連が介入して泥沼化しているものです。つまり、先進国といえる勢力は人革連しか介入していないのです。タミル人に肩入れする人革連が攻勢をかけているその真っ只中にガンダムは介入、人革連の部隊を殲滅していきます。

この戦闘に入る前、刹那が面白い反応をしてみせます。
人革連とシンハラ人のMS部隊の戦闘を見て、6年前に経験した出来事を回想します。MSに追われ、まさに命を奪われんとするその瞬間に、天空よりの光で次々にMSを破壊し、現れるガンダム―。
彼は言います。
「ガンダムだ…………俺が、ガンダムだ」
刹那は、6年前に目撃したガンダムそのものに。自らがその鉄槌を下すものになるのだと考えているのではないでしょうか?

ここで描かれるMS戦は実に素晴らしいものがあります。
人革連のMSのその重そうな描写は見事なものですし、後方支援部隊との連携も見せてくれます。
ガンダム4機はスメラギ女史の戦術予報に従って、それぞれの役割を果たしていきます。

エクシアはその驚異的な運動能力を発揮し、前線にて人革連のMS部隊を蹂躙していきます。ここでは、その巨大な剣がただ刃物として物理的に切断しているのではないことと、敵砲撃を盾できっちり受け止めることによって、その盾の防御力を示すとともに、エクシアが「盾で受ける」必要がある機体なのだということをみせてくれました。

デュナメスは敵支援部隊を上空より狙撃、殲滅します。ここでは、照準に専念するロックオンの支援としてハロが回避を担当し、ハロが如何に重要なパートナーなのかを示してくれました。敵部隊殲滅後、上空より、敵MS部隊を次々に殲滅していくエクシアの動きを確認したロックオンが重要な台詞を口にします。
「気合の入れ過ぎだ、刹那!」
エクシアは元々白兵戦用ですので、敵機との距離を詰める事自体は間違ってはいません。しかしここでこのような台詞がでるということはつまり、必要以上に敵MSを蹂躙していく必要はないことを示しているといえます。

キュリオスは今回、爆撃用のミサイルコンテナを装備して出撃しました。その機動力を生かし、人革連駐屯基地で出撃準備中のMS部隊を殲滅します。ここでのアレルヤの台詞と表情は重要です。
「これで稀代の殺人者…っ。 けどね……これがソレスタル・ビーイングだ!」
つまり彼らは、自分達が行っていることが結局は単なる殺人であり、それに良心の呵責を感じつつも、それを行うことこそがソレスタル・ビーイングなのだと認識しているのです。

ヴァーチェはその火力で人革連の大型輸送艦を撃沈します。敵MSの砲撃をまるっきり無視してみせることによって、その類稀な防御力の高さをみせてくれました。

そして、人革連MS部隊の撤退によって戦いは幕を閉じたように思えます。
しかしここで、非常に重要なやり取りが行われることになります。
人革連MSへの攻撃を止めたエクシアを見てロックオンは呟きます。「ここまでだ…ここまでだよ、刹那」
しかし、敵が崩れたことにより、シンハラ人MS部隊が攻勢に出ようとします。ガンダムの支援に感謝の言葉を述べながら。
それを見てロックオンは叫びます。「このバカ野郎!」
狙撃準備に入るデュナメス。エクシアの側を通過していくシンハラ人MS。動かないエクシア。
デュナメスが狙撃しようとしたまさにその時、エクシアはそのシンハラ人MSを撃破してしまいます。
そのエクシアの行動を見て、ロックオンは安堵のため息をつくのです。
そして刹那は言います。「これが、ガンダムマイスターだ」
これが何を示しているかというと。
つまりソレスタル・ビーイングは、全ての戦力を殲滅するのが目的ではないのです。

双方への攻撃。
これは、世界の人々に衝撃を与えることとなります。
「ソレスタル・ビーイングは何を考えているのか?!」と。
ここで、人革連のセルゲイ、王留美、未だ正体のわからない謎の人物、スメラギの台詞で、ソレスタル・ビーイングの理念が何なのかを視聴者に示してきました。
「一度の介入で―紛争が終わると本気で思っているのか!?」
「一度だけじゃない。何度でも介入するわ。」
「紛争が終わるまで。憎しみが私達に向けられるまで。」
「それがソレスタル・ビーイング。私達は物事を変える時につきまとう痛み。」
つまりソレスタル・ビーイングは、人類全ての敵となることによって、人類全てを一つにしようとしているのです。
古くからある「敵の敵は味方」ってやつですね。
この手は、国内情勢が悪化している国ではよく使われる常套手段です。国民に仮想敵国、憎しみを向ける相手を示すことによって、国内世論を1つにまとめようとする訳です。
私はこれをこの作品の重要な仕掛けの1つだと考えていました。
しかしそれがまさかこんな早い時期に明確に説明されるとは思ってもみませんでした。
ということは、描かれていくのは、その先にある物語です。
私の展開予想では、ソレスタル・ビーイングの理念に気付く者と気付かない者(今のところはこちらしかいません)、それぞれの中でそれに賛同する者、否定する者、また、同調していく者、拒否していく者。そういう、ソレスタル・ビーイング以外の人々のドラマが描かれていくのではないかと期待しています。

そして、先行して帰還中のエクシアと、グラハム搭乗のフラッグとの激突で第2話終了。
実に強烈な引きです。
早く続きが楽しみです。
………といっても、この記事のアップが遅れて、あと15分で第3話が始まっちゃうのですけど(^^;

2007年10月27日

機動戦士ガンダム00 #03変わる世界

今週はしばらく家に居なかった為に、やはりギリギリに第3話の記事アップです。

第3話では、ガンダム周辺の技術的な説明と、それに対してのユニオンと人革連の対応を見せています。
また、ソレスタル・ビーイングの3rdミッションが描かれ、これはソレスタル・ビーイングが具体的にどういうケースでその理念を発現するのかを世界に示してみせます。
そして世界が、ソレスタル・ビーイングに対応した動きを見せ始めたことが描かれています。

第2話ラストのグラハム搭乗のMSフラッグとの戦闘から開始です。予想通り、アバンタイトルだけであっさり終了(笑)
しかし、ここでの戦闘は第3話通して分析すると色々な意味が見えてきます。
ガンダムがステルス機能を発揮する為にはGN粒子をその為に散布する必要があること。GNソードは大き過ぎて取り回しが必ずしも良い武器ではないこと。格闘戦を行ったことによりエクシアの大まかなパワーが知られたこと。エクシアの表面塗料の破片を与えてしまったこと。ビームサーベルを見せたこと。
更にこの後、セイロン島で回収したキュリオスの武装コンテナを分析した人革連のシーンで、セルゲイに「見せていい技術は使い捨てている」と言わせています。
それを踏まえて考えれば、ここでの戦闘時にエクシアが一度捨てた盾を再び回収していることから、エクシアのシールドには「見せてはいけない技術」が使われている可能性が極めて高いと推察することもできます。
この冒頭の戦闘内容は、後半行われる3rdミッションでのエクシア対セルゲイ搭乗のティエレン高機動型でもほぼ踏襲されています。つまり具体的には、先に示した内容を(最初と最後の2つ以外)ほぼそのまま人革連側にも(アニメ製作者側が)与えたといえるでしょう。
両方の戦闘終了時に、刹那に「俺に触るな」という全く同じ台詞をわざわざ言わせていることにも意味があると考えるべきでしょう。

各陣営やマスコミも、ソレスタルビーイング創設者イオリア・シュヘンベルグに注目し始めています。
第3話までにわかっているイオリア・シュヘンベルグの情報としては、21世紀末の人物であること、太陽光発電システム(軌道エレベータ込み)の基礎理論提唱者であること、人型マシンの提唱者であること…くらいです。
しかし「何故200年も経ってからソレスタル・ビーイングが動き始めたのか?」についてはまだ誰も答えを出せていません。これについてはソレスタル・ビーイング内の会話にも無いので、我々視聴者にも謎のままです。ひょっとすると推察できるだけの情報が今までに仕込まれているのかもしれませんが、悔しいかな私にはまだ読み取れてはいません(^^;

ソレスタル・ビーイングはガンダムヴァーチェを宇宙に戻します。
手段としては、コロニー建設用資材に紛れ込ませて人革連の軌道エレベータで宇宙に上げる方法でした。
こういうものに対してのチェックは元々甘いようですが、人革連軌道エレベータではそれが特に甘いとロックオンは言います。
その理由は具体的には示されませんでした。管理している人革連の問題なのか、それ以外の理由があるのか。
私は、王留美が第一話で人革連のパーティーに出ていたこととその時のレポーターの台詞から、元々王留美の家がコロニーの建設に携わっていたり影響力を持っていたりするのではないかとみているのですが。
ちなみに、ヴァーチェを軌道エレベータで宇宙に上げたからといって、それ以外での宇宙への帰還方法が無いとは言い切れません。どこにも探知されずに安全確実に宇宙に戻すのには、ただ軌道エレベータを使用することが一番確実だったのだ、と考えるべきでしょう。
ヴァーチェを宇宙に戻す理由は、「ガンダムが無いと(母艦である)プトレマイオスの活動時間が極端に限定されてしまうこと」だと言います。またここで重要な情報として、太陽炉(GNドライヴ)が4つしかないことがアレルヤの台詞で示されます。わざわざ刹那に「機密事項を口にするな」とまで言わせてその台詞を止めさせるという念を入れた形で我々視聴者に示して来ましたので、これは非常に重要なので覚えておけ、ってことでしょうね。
さて、となると、第2話でプトレマイオスのコンテナが撒き散らしていたGN粒子はエクシアとデュナメスの太陽炉から得たものだということになります。
後のシーンで示されますが、プトレマイオスにヴァーチェ収納後、太陽炉とプトレマイオスを直接接続してエネルギーを得ているようです。
書籍や公式サイトなど、情報元によって太陽炉とGN粒子の関係が微妙に異なるので具体的にどのような形でエネルギーを供給しているのかはわかりませんが、プトレマイオスのステルスで使用するのは確定なので、少なくともGN粒子を供給していることだけは間違いないでしょう。

ユニオン及び人革連のシーンは、それぞれの陣営が対ソレスタル・ビーイング/対ガンダムに具体的に動き出したことを我々視聴者に示しています。
そこではガンダムの性能についていろいろ言われていますが、これは字面通りで受け取れる部分ですね。
ただ、イオリア・シュヘンベルグが「この時代より更に数十年先の技術を持っている」と言われる点はひょっとすると後々重要なのかもしれません。

そして行われるソレスタル・ビーイングの3rdミッション。
今回は、3機のガンダムによる3箇所同時行動です。
しかしこれは、ガンダムを別々に運用することもあり、同時に複数箇所を攻撃できるなんてことだけをただ示している訳ではありません。
今回の3機のガンダムが示してみせたことには、それぞれ別の意味があります。
それぞれのガンダム毎に説明するとこういうことになります(他の意味もあるかもしれませんが)。

デュナメス
行動―南アフリカ地域の鉱物資源の採掘権を発端とする内戦への武力干渉
これは、利権を巡る一国内での内戦であっても介入を行うことを示します。

キュリオス
行動―南米タリビアの麻薬畑の焼き払い
これは、テロなどMSが使用されない紛争に対しては、組織の資金源そのものの破壊を行うことを示しています。

エクシア
行動―セイロン島人革連駐屯基地への第二次攻撃
これは、一度介入した紛争であっても、その紛争が継続される場合にはもう一度介入を行うことを示しています。

3rdミッションは、今までのように超大国である三大勢力だけではなく、それ以外に対しても行動を起こしてみせて、世界中の軍隊や武装組織に対してソレスタル・ビーイングに対して真剣に考えることを求めているといえます。

そしてその後、場面は東京に。
マンションに帰宅した沙慈君の隣の住人はなんと刹那君です。
エンディングの映像から、そのうちガンダムマイスター達のプライベートが描かれ、その際に何らかの出会いをするだろうとは予想していたのですが、まさかお隣さんだとは。流石にこれは予想外でした。(笑)
まぁ、この2人らしいやりとりで出会いは終わる訳ですが。
その後、沙慈の姉との会話でソレスタル・ビーイングの動きにマスコミが注目していることが示されたり、沙慈の恋人のルイスとの会話で一般人もソレスタル・ビーイングの存在を無視できなくなってきていることが見えてきます。
そしてTVでは、北アイルランドのテロ組織「リアルIRA」が、マスコミを通して「武力によるテロ行為の完全凍結」を宣言します。これは3rdミッションでソレスタル・ビーイングが示してみせた行為に対して、リアルIRAがそれを無視せず、しかし「武力の放棄」や「組織の解体」ではないところから、「とりあえず様子見」するという判断をしたことを表しているといえるでしょう。
この北アイルランドの紛争がどれほど根深いものかは先に描かれた沙慈達の授業シーンであらかじめ説明されています。
400年続いている紛争に変化が起こったのです。
世界はソレスタル・ビーイングを無視できず、その影響を受け、そして徐々に変わり始めたことを示して第3話終了。
しかしルイスの心配は、授業で受けたレポート対象の紛争が(表向き)終了してしまったことで、そのレポートをどうすればいいのかが気になるご様子なのはいい味出してます。(笑)
まぁ、このキャラ描写にも勿論意味はあるのですが。

2007年10月31日

仮面ライダー THE NEXT

なんか日曜の夜に急に「行くぞ〜」とか言われて昨日行ってきました。
THE FIRSTも観に行ってましたし、THE NEXTも観る気満々でしたのでまぁOK(笑)
前日の深夜に友人にマビノギのG1女神〜ギブネン行くよって言われたのは全くの想定外でしたが。おかげで3時間しか寝てなかった罠が!

それはともかく、THE NEXTの感想を少し。ただしあくまで感想なので、THE FIRSTも込みで観に行った人にしかわからないような内容で書きますが(笑)

まぁ相変わらずストーリーはお約束な展開でした。とはいっても、どう考えても「そういうの」を狙ってるとしか思えない展開でしたので、その辺りに細かくツッコミ入れるのは野暮ってものです。でも、THE FIRSTに比べて普通にダレずに観続けられる内容になってました。THE FIRSTは正直途中ちょっとダレたので(^^;

この映画、「今の」仮面ライダーのクセにほんの少しだけ年齢制限かかっちゃったんですが、なるほどこれは怖いわ(^^;
ホラー系が苦手な私には充分怖かった!この演出は怖いよー!!
といってもこの辺りって、初代本郷ライダー時代のテイストそのままというか、それを現代の映像技術で再現というか、結局のところ原点回帰なんですよね。
本来目指した「仮面ライダー」って、やっぱこっち系だよね〜。
最後のオチも実にそれっぽい感じでした。シーンの最初を観た時は「台無しだ!」とか思ったのですが(笑)

アクションシーンについては、やっぱ文句無しにカッコいい!
THE FIRSTは「仮面ライダー」を今の技術でやるとどういう表現になるか、って感じの映像だったのですが、THE NEXTは「仮面ライダー」を今の技術だとどこまでできるか、って感じを受けました。
その分、インパクトの点ではTHE FIRSTの時に受けた衝撃には至らなかったのですが、THE NEXTではストレートに「カッコいい」迫力のある映像が次々に展開されてました。
特に素晴らしかったのは、サイクロンを駆る本郷ライダーと、ショッカーライダー軍団とのチェイスシーン。ハイスピードで疾走するスピード感といい、そのギリギリのスピードの中で繰り広げられるバイクアクションには感動すら覚えます。お世辞抜きで、その映像を観た瞬間には身体中に衝撃が走りましたよ。
心の中で叫んでました。「ああ…!今の仮面ライダーに無いのはこれなんだ…!!」
今の仮面ライダーが嫌いな訳じゃないし、むしろストーリーとかエンターテインメントとしては進化してるとは思ってるんですが、幼い頃に憧れ、今の仮面ライダーが無くしてしまったモノはこれなんだなぁ…とハッキリ認識させられてしまいました。素直にカッコいい。これこそが仮面ライダーだよね!とは思いましたが、でもこれを今TVシリーズでやれってのも無茶だよな、とも思いましたが(^^;

キャラ描写も、シリーズ第2弾だからこそのキャラ立てとかしてあって面白かったです。これについては話すとネタバレにしかならないのでこれだけで終わりにしておきますが。(^^;
ただ個人的には、風見志郎はもう少し復讐鬼っぽいキャラがよかったなぁ…。(笑)

まぁそんな感じで、とても楽しめた映画でした。
お薦めの1本です。
でも、ストーリーとか細かいところは気にしちゃダメですよっ?(笑)

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