« 2011年08月 | メイン | 2011年10月 »

2011年09月 アーカイブ

2011年09月01日

モビルスーツの脚の応用・その2

今回はモビルスーツの脚部の宇宙空間における運動性能の向上について考えてみます。
なお、ここでの運動性とは現用兵器に則り機体そのものを素早く移動させる為の能力のことであり、MSの人型ゆえの動作そのもののことではありません。

宇宙空間におけるモビルスーツの脚部の存在意義を見出す為に考えだされたのがAMBACであり、それは宇宙空間での運動性向上に役立ったというものでしたが、先のエントリーでそれを否定してしまいました。
では宇宙空間でモビルスーツの脚部はデッドウェイトであり白兵戦闘にしか役立たなかったのかというと、必ずしもその限りではないと考えられます。

脚部の運動性能向上への利用方法として私は今のところ2つあったと考えています。

まず1つは、その脚部の質量を利用した重心移動です。
これまでアップしたザクの絵を見ていただいてもわかりますが、モビルスーツの脚部は機体全体からみて結構な割合を占める部位です。
前回のエントリー「モビルスーツの脚の応用・その1」で書いたように、モビルスーツの脚部はかなりの強靭さと重装甲を兼ね備えています。当然その重量も機体全体から考えて相応の割合を占めているものと思われます。
ということは、この脚部を動かすだけでモビルスーツの重心位置は大きく移動することになります。
空力を無視した場合、モビルスーツに限らず推力によって飛翔する機体は機体重心が推力方向線上にあるということになります。
モビルスーツの場合は、メインスラスターと補助スラスターの複合によってこの推力方向線を機体重心上に維持していると考えるのが妥当と思われます。
この推力方向線から機体重心がズレるとそのズレた方向へ機体が回転を始めてしまいます。
複数のスラスターによる複合だとするとそれぞれのスラスターの出力を調整したり、推力偏向ノズルを使用することによって推力方向を変更することも可能ですが、機体の重心を故意に移動させることによって同じ現象を起こすことも可能となります。
両方を複合して利用することにより、より高い旋回能力を発揮させることも可能と思われます。
これは、推力方向の変更や、姿勢制御スラスターによる機体方向の変更のみに依存せざるを得ない機体よりも運動性能面において有利と言えるのではないでしょうか。
また、装備しているスラスターの中でも、より大出力のスラスターを有効に使用できるように重心位置を移動させるテクニックなどもあったと考えると面白いかもしれませんね。

2つめは、脚部にスラスターを搭載することによって、先の推力方向線を変更したり、姿勢制御スラスターとして利用するものです。
8/29のエントリー「AMBACについて」のコメント欄で少し話しているのでそちらも参照してみていただけるとありがたいのですが、姿勢制御スラスターは機体重心よりなるべく離れた位置に配置されている方がより効果的です。これはグリプス戦役の時代にはスタビライザーとして積極的に取り入れられていくことになります。
また、機体質量で脚部の占める割合が大きいので、脚部にスラスターを搭載するのは推力方向線を機体重心に乗せる上では有利でもあります。特にジオン系の機体、ザクではR型と呼ばれる高機動型では姿勢制御スラスターの機能と複合してより積極的に利用されていったと考えることができます。


ザクの背面を整理してみました。
設定画からみるとランドセルはこれくらいのサイズだと思うのですが、大き過ぎでしょうか?
ところで設定画ではザクのランドセルのディテールはこの程度しかない訳ですが、皆さんはメインスラスターはどこにあると思っていらっしゃいますでしょうか?

2011年09月07日

ザクは何の為に開発されたのか。

先週末から少々立て込んでいたのと次に何を書くべきかちょっと悩んでて更新が滞ってしまいました、すみません。
気合を入れ直して続き行きますよー。

という訳で今回はようやく第1回に立ち返って、モビルスーツ(ザク)とは何なのか、です。
前回まででモビルスーツの脚についていろいろ書いてきました。
間が開いてしまったこともありますし、おさらいをしておきます。
重要な点は以下の2つです。

・宇宙空間で使用する機動兵器に脚は要らない。
・モビルスーツの脚は歩行の為に装備されている。

これだけで答えを書いているようなものですが、つまりモビルスーツは陸戦兵器なのです。
1stでは少なくともアムロやガルマもガンダム(=モビルスーツ)のことを陸戦兵器と呼んでいます。
ガルマのセリフではあくまで「しょせん陸戦兵器」であって、「しょせん宇宙戦用」とは言わないのです。
モビルスーツという兵器を正しく理解している筈の立場の人間が、です。

脚が付いているという事実からモビルスーツは陸戦兵器と言えるのですが、主力兵器であるモビルスーツが陸戦兵器ということは、ジオン公国軍は陸戦を想定して装備を整えていたということです。

つまりジオン公国軍は、当初から地球侵攻作戦を準備していたということになります。

この話もまた詳しく話始めると長くなってしまうので、今日はこの辺りまでにしておきます。
この結論を出す前にミノフスキー粒子散布環境における影響も話しておかなければならなかった気もしますが、そちらに行くとまた長くなるのでそれはまたその時が来たらということで。

今回はザクの前後を並べてみました。
後ろ姿がまとまったので、それに合わせて前面も修正してみました。
一部の線がまだ荒いままですが、バランスやシルエットはこんなものでしょうか?
それらがだいたいまとまってきたのと、本文の方もそろそろザクの構造に入れそうなので、そろそろディテールを入れていってみようかと思っています。
まずはメインスラスター辺りでしょうか?
ご意見等ありましたらお気軽にコメントして下さい。

2011年09月10日

前回のコメントから

前回のエントリーでモビルスーツは陸戦兵器ですよ、って話をした訳ですが。
頂いたコメントで2つの疑問点が提示されました。
ちょっと重要な話だと思うので、予定を変更してこちらでもそれにお答えしておこうと思います。

まず一つは、宇宙兵器としてのモビルスーツにも脚が必要な決定的な理由があったのではないか、というものです。
しかし1stの段階では純粋に宇宙用として開発されたモビルスーツはボールとジオングしか存在しません。
ということはそれ以外のモビルスーツは陸戦を想定せずに開発されることは無かった訳ですから、モビルスーツの設計から脚部が削除される理由は見当たりません。
同一機種の宇宙戦仕様のものがあったとして、その設計から脚部を撤去するのは一つのユニットとして完成されたモビルスーツのバランスを著しく欠くことになりますし、それに伴う設計変更は別のモビルスーツを新規開発するのと同じ手間がかかると思われます。
宇宙空間における脚部の利用方法はこれまでのエントリーで幾つか示させていただきましたが、そちらで書きましたように、宇宙空間における戦闘時にも脚部は必ずしもデッドウェイトにはならず有効に活用することが可能と考えられます。大戦末期のモビルスーツがその利用方法の有効性を認めた上で、その機能を強化されたことは充分に考えられるのではないでしょうか。

もう一つは、モビルスーツは何故2本脚の人型であったのか。
車輪やクローラーでも良かった筈だし、2本足でなくもっと足の数が多い多脚型でも良かったのではないか、それらを採用した機体がもっとあっても良かったのではないか、ということですね。
この疑問は至極真っ当ですし、であるからこそとても難しい問題だと思っています。
結論から言うならば、モビルスーツの移動システムとしては2本脚が最も有効で最適であったということになります。
その結論に基づいてその理由を考えなければなりません。
これはモビルスーツの構造や技術だけでは答えを出すのは難しく、生物学的視点や兵器としての運用思想などへも考えを巡らせる必要があるかもしれません。
先の一つ目の疑問点の方のコメントで頂いた言葉ですが、『それとも「足がある」ではなく「人型である」事に理由を見出した方がいいのかな?』というのもこれを考える上で非常に重要な発想の一つだと言えます。
正直私だけでは手に余りそうな問題なのですが、皆さんとの意見交換などを通してその答えを導き出してみたいと思いますが、この話はかなり長くなるつもりでのんびりやっていければと思っています。


そろそろディテールを入れて…とか言ってたのですが、考えなおして旧ザクを描いてみました。
前回までに描いていたザクをベースに修正する形で描いてあります。
とはいえ、この旧ザクを描く作業中にザクの方のミスやちょっと考え直した方が良さそうなところを見つけてしまったので、ザクの方はまた後日修正します。
これがあると思ったので旧ザクを先に描いたので、思惑通りではあるのですが。
しかし、ザクと旧ザクの形状ってどれくらい違うものなんでしょうねぇ。
特に頭部、難しいです。

2011年09月15日

たまにはガンダム以外を

連続で続けていたガンダムのお話ですが、次の話題をどう切り出すか悩んでいるうちに間が開いてしまいました。
いろいろな事柄が関連し合っているので、何から話すべきなのか悩みます。
という訳でまとめ中なのですがちょっと下調べに手間取ってるので今日もちょっとガンダム関連の話は無しです。
次はこの話題を!ってのがありましたらコメントなりなんなりで頂けるとありがたいです。

という訳でたまには他のお話を。
最近イラストSNS関連を覗いていなかったのですが、今頃になって9月6日が衣たんの誕生日だったことを知りましたよ!
とても今更なので去年あった咲イベントのチラシ用に描いた絵から衣だけ引っ張り出してみました。
元々前のキャラで結構隠れてましたしね。
でも最初からチラシ用サイズで描いていたので左手とか描いてなかったので左腕ごと描き足してみたり、ついでに細かい修正してみたり塗りをちょっとだけ手直ししてみたり。
明日にでもあちこちのイラストSNSに貼りまくってきます。(笑)

2011年09月16日

宇宙戦闘機は存在したのか

きっちりまとめてから書こうとすると文章量が多くなりますし、気軽にエントリー投稿したりコメントいただけないのではないかとの指摘も受けたので、もうちょっと気楽に軽くいってみようと思います。

ここまで宇宙空間におけるモビルスーツの運用についての話が続いていましたので、その流れからちょっとモビルスーツ以外のお話をしてみようと思います。
とはいってもこれは後でモビルスーツの話にも絡んでくるのですけれども。

ジオン独立戦争(敢えてこう呼ぶことにします)当時の宇宙戦力についての話題でよく出るのが宇宙戦闘機の存在についてです。
読んでいる皆さんはどう考えていらっしゃるでしょうか?

まず間違いなくハッキリしているのは、ジオン軍が(戦中のどの時期かはともかくとして)ガトル戦闘攻撃機を運用していたこと。
これは映像に登場しているので間違いありません。

では連邦軍はどうなのかというと。
MSVに詳しい方や、最近のゲームやそのムービー等の印象が強い方々は、連邦軍にも宇宙戦闘機として、コアファイターバリエーションとしてデザインされたセイバーフィッシュが配備されていたと思っていらっしゃるのではないでしょうか。
特にMSVでは連邦軍にも宇宙空母が配備されていたことになっています。
また、TVシリーズに詳しい方ならば、ルナ・ツーに配備されたトリアーエズという軽戦闘機が登場予定だったけれども結局登場しなかったことをご存知かもしれません。

さて。
果たして連邦軍は本当に宇宙戦闘機を運用していたのでしょうか?
というとんでもない言葉を残して続きはまた次回。


描いたのは数日前なのですが、記事ができずに投稿タイミングを失っておりました。
旧ザク背面とそれに合わせて前面をちょっと整え直してみました。
配色が結構凄まじいのですが、お陰で今までちゃんと認識できていなかったザクの形状について再発見があったりして侮れません。
とはいえこの配色で間違いないのかと言われるとちょっと自信もないのですが。
リアルタイプ版のようにグレーを入れたくて仕方がありませんよ?
この旧ザクに合わせてザクも修正してあるのですがそれはまた次回にでもアップしたいと思います。

2011年09月17日

連邦宇宙軍

前回はとんでもないことを口走って終わったわけですが。
前回コメントの方でも話してますが、連邦宇宙軍は大艦巨砲主義だったということになっています。
これについて否定する人はまずいないとは思うのですが、もしかするといるかもしれないので大艦巨砲主義になってしまった理由をさくっと書いておきます。

連邦宇宙軍が大艦巨砲主義になったのは、かつての大戦で戦艦が航空戦力に敗れたことを忘れた訳ではなく、その方が効率が良かったからです。
当時の推進器の効率的には小型のものは積載重量や推進剤の容量問題でとても航空戦力として運用するには不十分でしたし、攻撃対象になるものは艦艇やコロニー、ステーション等の施設でした。
それほど高い機動力を持った艦艇は存在せず、敵も味方も足の遅い艦艇だけだったのです。
その頃にはミノフスキー粒子の影響もなく様々な電子機器の恩恵を預かることができましたので、鈍足で重武装ができず厚い装甲を持たない宇宙艇や宇宙戦闘機など戦闘艦の敵ではなかったのです。
そのような状況での戦闘を目的とするならば、より大火力と重装甲を備えた戦闘艦の方が有利となりますので、おのずと大艦巨砲主義といえる状況になっていった訳です。


予告通りザクの修正版です。
いろいろミスしてたのや、旧ザク描いて気がついた点も含め、あちこちかなり直しました。
旧ザクと比べると特に脚が面白過ぎです。
何故こんな形状なのか考えてみるとかなり面白いと思いますよ?

About 2011年09月

2011年09月にブログ「ほえほえがーでん」に投稿されたすべてのエントリーです。過去のものから新しいものへ順番に並んでいます。

前のアーカイブは2011年08月です。

次のアーカイブは2011年10月です。

他にも多くのエントリーがあります。メインページアーカイブページも見てください。

Powered by
Movable Type 3.34