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機動戦士ガンダム00 #04 対外折衝

もはやお約束のように第5話放送10分前に更新です(^^;

ソレスタル・ビーイングという組織が実際に存在し活動していることがはっきりしたならば、では国家や武装集団、人々はどういう選択をするか?
第4話は、政治―国家がどう考えてどう動いてみるのかが描かれています。
とは言っても、今回の話はかなり判り易い話になってます。何しろ、本編中にキャラが台詞で全部説明してくれる親切さ。
政治という、主力視聴者層にとっては少々難しいテーマが今回の話ですので、この選択は正解だと言えるでしょう。
ソレスタル・ビーイングの活動的に、政治に触れない訳には行きませんしね。
まぁそんな感じで、本編見れば全て答えが提示されていますので、今回はちょっと変わった着眼点で書いてみます。
この作品はとにかくシーンの繋ぎの台詞が上手いので、その部分についても少し抜き出して書いてみます。

アバンタイトルは、人革連の慰霊祭の中継を観るプトレマイオスクルーが描かれます。
ここでは、戦争根絶を謳いながら、ガンダムの介入で確実に死者は出ているし、それはテロ行為以外の何物でもないとハッキリ言葉で示しています。
しかしクルー達はその様子を見ながらそれを当然だと言い、もしそれに抗う為に人革連が軍備を増強してきた場合、武力介入を続けるだけだと言います。
3話までに描かれたソレスタル・ビーイングという組織と、メンバーの意識というものをあらためて明確に視聴者に示したといえるでしょう。

本編はアザディスタン王国から。ようやくヒロイン(らしい)マリナ様の登場です。
この第4話は、全体を通してマリナと侍女シーリンとの会話が状況説明として多用される構成になってます。
アザディスタン王国は、都市部でテロが発生するほど治安が悪化しているようです。石油の輸出制限の為に経済的に破綻しかけており、太陽光発電システムを所有する国家群に支援を受けるしかない状況のようです。しかし、軌道エレベータへの建設計画に参加していない為にエネルギー供給権を保有していないという致命的な問題があるようです。その現状を打開する為に王制を復活させたばかりのようですね。
しかしそれほど治安が悪化している状況ですので、ソレスタル・ビーイングの介入を受ける可能性を危惧しているようです。
>マリナ「ソレスタル・ビーイング…」でシーン切り替え

どこかの島のプトレマイオスのコンテナで待機中のロックオンとアレルヤ。
2人の会話から、第3話のリアルIRAの休止宣言がどういう意味を持つのかが台詞で明確に説明されました。
攻撃されるのを恐れているだけであり、ガンダムの脅威が無くなれば、すぐにまた活動を再開するだろう、と。
アレルヤ「恒久和平の実現…その為のガンダム」
この台詞だけから判断すると、必ずしもソレスタル・ビーイングは自身を滅ぶべきものだと考えている訳ではないのかもしれませんね。
>アレルヤ「ガンダム」でシーン切り替え

人革連(おそらく本国)基地に帰還したセルゲイと基地司令官の会話が描かれます。
直接ガンダムと手合わせした感想を聞くところから始まり、人革連は「ガンダム奪取」を目的に部隊を創設することが語られます。
ここでOPにも出ていた新キャラの女の子の登場です。超人機関なる組織で訓練された超兵一号だそうです。強化人間みたいなものでしょうか?
>セルゲイ「それにしては、若過ぎる…」でシーン切り替え

東京。公園でホットドックを食べながら、平和な光景を眺める刹那。しかし彼の目には、廃墟と屍が広がる地獄が映っているようです。彼の見てきた「神なんかいない」世界と、恋人や家族が笑い合う世界。果たして一体どちらが幻想なのでしょうね。(勿論目の前の平和な光景が現実ですので念の為)
そして2度目の邂逅を果たす刹那と沙慈(と、ルイス)。
同年代の彼らの関わりが、今後どのように描かれていくのか楽しみです。


そしていよいよ今回のメイン。
メインステージは、第3話でキュリオスが麻薬畑を焼き払った南米の国、タリビア。
米国主導であるユニオンに対し、独自のエネルギー権を主張し、ユニオン脱退を宣言します。
しかしこの動きはソレスタル・ビーイングの動きを利用するもので、戦術予報士であるスメラギさんもヴェーダなるコンピュータっぽいのもその動きは予想範囲内であったようです。
タリビアは地理的にはまさにユニオンの軌道エレベータがある場所ですので、ユニオンとしてはとても看過できるものではありません。
ユニオンは議会を緊急召集、軍の派遣を決定します。
ここで、ユニオンと米国は別の軍を持っていて、それぞれを動員している台詞があります。この辺りから判断すると、この世界の情勢は現代とあまり大きく異なってはいないようです。

第4話の物語のポイントは、ここで「ソレスタル・ビーイングが介入するかどうか」になります。これも台詞で明確に問われています。
武力介入すればタリビアの強硬姿勢を手助けすることに。
武力介入せずユニオンの軍事行動を許せば、紛争根絶という(ソレスタル・ビーイングの)行動理念が瓦解する。
しかし、ソレスタル・ビーイングが実際に取った介入手段は、ユニオンの攻撃開始前にタリビア軍へ攻撃することでした。
キーになってるのは、タリビアの脱退声明にあったこの台詞。
「この主張に反対し、他国から政治的、軍事的圧力がかかった場合、我が国は軍事力を持ってこれらに対抗するだろう」
実際にタリビアとユニオンの戦闘が始まってからでは、ガンダムは攻撃側であるユニオンを攻撃しなければなりません。この場合はタリビアの強硬姿勢の手助けになります。
ですが、タリビアとユニオンの戦闘開始前であれば、軍事力を行使すると宣言しているタリビアは紛争を引き起こそうとしている国に他なりません。
ソレスタル・ビーイングが取れる介入方法としてはこれが最善であったのだろうと思えます。
しかしこれは、まだ戦闘を行っていない、国力/軍事力的にも弱い国を攻撃することに他なりません。
一般人に与える印象はけして良いものではないでしょう。
事実、マリナや沙慈は、ソレスタル・ビーイングの行動に対して不快感を表しました。

この介入によってタリビアとその周辺国の情勢がどのように変化したかは、劇中でシーリンの台詞で語られた通りです。
「タリビア国内の反米感情は沈静化し、アメリカ主導の政策に舵を切ることができる」
「他の国々も、タリビアの二の舞を避ける為に露骨な反米政策は打ち出そうとはしないでしょう」
そして言います。
「この一連の事件で、一番得をしたのはどこかしら?」
「もしわからないのであれば、あなたにこの国(アザディスタン)を救う資格は無いわ」
まぁここまで言われてわからない人もいないでしょう。勿論アメリカな訳ですが。
ソレスタル・ビーイング的にはあまり嬉しくはないのでしょうけれど。
こういう説明を姉にしてもらえなかった沙慈は仕方ないとして、マリナや我々視聴者がこれに気付けていなかったら少し問題です。(笑)
まさしく「この国を救う資格は無い」ってことに他なりませんものね。

ティエリアが茶番と呼んだように、ソレスタルビーイングの今回の作戦はタリビアをユニオンへ戻せば終了です。
ですので、ユニオンがタリビアの防衛行動に入った段階でガンダムは撤退を開始しています。
ユニオン(というか、アメリカ)的にも、今回の作戦ではタリビアの独立宣言が撤回されれば作戦終了ですので、わざわざガンダムに攻撃を仕掛ける必要がありません。
グラハムのフラッグがエクシアを追撃したのは、戦略的には必要の無い、想定外の出来事だったのです。
だからこそスメラギさんでさえ驚きを隠せなかったのです。
これは、ユニオン(というか、グラハム)の対ガンダムへの対応がかなり素早いものであることを表しているともいえます。


ストーリーと関係ない感想をいくつか。
エクシアの出撃シーンはいかにもロボット物らしくて熱くていい感じでしたねー。
グラハムのフラッグの無茶っぷりな描写もなかなかいい感じです。
どちらでもさり気なくこの世界の高度なテクノロジーの片鱗をこっそり描写しててニヤリとさせられます。

今回はEDへの入り方が今までと少し違いましたね。
雰囲気がいい感じで良かったです。シングル発売が楽しみです。

コメント (2)

るふぁーる:

第4話の解説お疲れ様でした。

話はどんどん難しい方向へと突入しつつあるようですね。
ガンダムを単なるロボットアクションものと見るか、
戦争群像劇と見るかで難しいか否かの取り方が変わって
来ると思うんですが、
私的には後者になるので話は難しい方向へと走り始めてるなぁ
と感じています。
まあ、そもそも「ソレスタル・ビーイング」という存在その物が
話を難しい方向へと引っ張るような物ですからそうなるのが当たり前なのですけれど。
話が難しくなると当然の如く説明的な会話を増やさざる得なくなりますね。
特に視聴者層のメインを意識するならそうならざる得ないわけで。

戦争群像劇と見ると話は面白い方向に進んでいると思います。
今後の政治との絡みがどうなっていくのか。
各国家の動きがどうなっていくのか。
楽しみな展開になってきたみたいですね。

次の展開を期待しつつ、次の解説を楽しみにしておきます。
でわでわ。

ガンダム00はTVアニメ作品として非常にバランスのとれた創りをしていると思えます。
視聴者がちゃんと真剣に観れば、大抵の視聴者にはちゃんと答えてくれる作品ですね。
大抵って書いたのは、作品の良し悪しと視聴者の好みは別問題だからなんですが。
説明的な台詞は、視聴者に考える為の題材を提供する必要性から生まれてくるものですので、それが多いということは、まだ「あらかじめ知っておいて欲しいこと、又は舞台」を描き切れていないことに他ならないのだと考えます。
第1話からかなりの情報量で話は進んでいるのですが、第4話でもまだそういう状況という訳ですから、ガンダム00の「世界」がいかに大きな規模で構築されているのかってことですね。
少し考えを巡らせるだけで、まだまだ描かれていないことが沢山あることに気付かされます。
その辺りもどう描かれてくるのか。
今後の展開が非常に楽しみです。

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2007年11月03日 17:50に投稿されたエントリーのページです。

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