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機動戦士ガンダム00 #7 報われぬ魂

第6話でサージェスって書いてたのは間違いで、サーシェスが正解でした。ちゃんと聞き取れてませんでした(^^;
そしてちょっと色々ありまして感想書くのサボってました。
ようやく気力も回復してきたのでまた書いていこうと思います。お付き合いよろしくお願いします。

では第7話「報われぬ魂」から。

さて、第6話の刹那とサーシェスの戦闘からの続きです。
第6話での戦闘と同じく、サーシェスが一方的に優勢で推移していきます。戦闘中の台詞から判断するに、サーシェスは相手が刹那だから動きが読めたのではなく、純粋にエクシアの動きを見て対応しています。サーシェスの兵士としての能力が突出していることが良くわかりますね。
リニアライフルがエクシアに有効ダメージを与えられないことを見て取ったサーシェスは白兵戦に持ち込みます。これは白兵戦用に作られたエクシアの機体特性を考えるととんでもないことです。機体性能ではサーシェスのイナクトがエクシアに勝てる見込みはありません。
しかしサーシェスは、エクシアの繰り出してくる攻撃を避けるどころか、エクシアの剣を次々に叩き落してまで見せています。
ビームサーベルを叩き落された後はGNブレイドで鍔迫り合いを行いますが、これはビームサーベルでないことを確認して押し込んだと思われます。
GNブレイドが単なるカーボンブレードであれば問題は無かったのでしょうが、GNブレイドの切れ味はイナクトの剣を切断してしまいました。
(この際GNドライヴが強く発光して見せたので、圧縮したGN粒子を刀身の周囲に纏わせて切れ味を持たせているGNブレイドは、供給されるGN粒子によって切れ味が変化するものと思われます。)

サーシェスのイナクトの剣は銃剣の形式で、リニアライフルの銃身を切断されたサーシェスはメインウェポンを失ったことになります。
この段階で一旦距離を取って対峙する事になりましたので、ここで刹那は光通信でサーシェスにコクピットから出てくるように告げます。
そして自ら先にコクピットから出て見せることによって、サーシェスをコクピットから呼び出すことに成功しています。
刹那がこのような行為を行ったのは、相手のパイロットが本当にサーシェス本人であるかを確認する為です。
ここまでの回想シーンで、幼い刹那に肉親(?)殺しをさせた上、兵士に仕立て上げた張本人がサーシェスであることが示されました。
刹那は元々聖戦に懐疑的であった描写もありましたが、その後の経験から、刹那にとってサーシェスは「神の威光を騙り、幼い自分を騙し、家族を殺させた憎むべき仇」であるようです。
刹那はサーシェスは6年前にクルジスで死んでいると思っていたようです。
今回の出会いは、刹那は素顔を見せないまま、お互い銃を向け合う一触即発の状態に陥ったところでデュナメスの介入によって幕を閉じます。
サーシェスのイナクトがエクシアから離れるまでは威嚇射撃を行っていたデュナメスですが、離れた後には狙い撃っています。
しかしサーシェスはこのデュナメスの射撃さえかわして見せます。これまでデュナメスの「狙い撃つ」射撃をかわした敵はいませんので、ここからもサーシェスの戦闘能力の凄さを窺い知ることができたと思います。
刹那はサーシェスについて考えます。
かつてはクルジスで聖戦を指揮しながら、今では「行き場がなくなってPMCに所属したのか。だとしたら奴の神はどこに居る」のか。

さて、この刹那の「戦闘中にコックピットハッチを開けて敵に姿を見せる」というとんでもない行為によって、スメラギさんの立てたミッションプランは変更を余儀なくされます。
スメラギさんから「フェイズ5まですっ飛ばして6から続行」という指示が来る訳ですが、エクシアはフェイズ1が終了してフェイズ2に移行する段階でサーシェスとの戦闘を開始していますので、この4倍の戦闘を放棄したと思われます。キュリオスとヴァーチェは続行していましたのでもう少しフェイズが進んでいたと考えられますが、この段階でモラリア側のMS部隊は半数以上が撃墜されているので、ひょっとするとモラリアとAEU、PMCのMS部隊は全滅させる気だったのかもしれませんね。

ガンダムの作戦行動はフェイズ6へ移行し、一旦その姿を隠します。
フェイズ6は、ガンダムは渓谷(と言うには狭過ぎる程の亀裂)を抜けて敵司令部へ向かいます。
司令部周辺にはこのような亀裂のような渓谷が多数存在しているようですが、そのどれも陸上部隊が通過出来るほどのものではなく、また航空機が通り抜けるにも狭く(およそ幅50mくらい)浅く曲がりくねったものであることが後のシーン(司令部全景とガンダムが渓谷から飛び出すシーン)からもわかります。
であるからこそモラリア軍司令部はこのような場所に設置されているのでしょうし、まさか渓谷を抜けてくる敵兵力があるとも考えてはいなかったようです。そもそもモラリア本国が戦場になることなど考えもしていなかったでしょうし。(この理由はモラリアがどういう立場の国か考えれば容易に想像できますね。)
また、本来レーダーに対してステルス能力のあるガンダムがこのような危険で手間のかかる行動を行っているかはロックオンが説明してくれました。「敵は電波障害が起こっている地域を重点的に警戒している」訳です。つまり、ガンダムのステルスがGN粒子の散布による電波撹乱によって行われていることを逆手に取った訳です。
過去のデータからガンダムがステルス機能を発揮している場合には電波障害が起こることはタリビア側もわかっています。その為「電波障害が起こっている場所にガンダムが居る」という判断をして対応してきた訳です。それに対しガンダムはGN粒子の散布を抑え電波撹乱を行わないことによってタリビアの警戒の裏をかいたのです。
敵側がどれだけの情報を持ち、どのような対応を取ってくるかの洞察は流石スメラギさんといったところでしょうか。

最終フェイズは司令部のある基地へ突入。基地のMS部隊を殲滅しましたが、所要時間僅か5分という驚異的な時間です。あらためてガンダムの性能に驚嘆しますね。
フェイズ5の都合からGN粒子を散布していませんので、純粋にMSの戦闘力勝負でこの差です。マトモに戦ってガンダムを撃破するのはほぼ不可能と言っていいのではないでしょうか。
その戦闘力を見せ付けられたモラリアは無条件降伏を選択します。
これについて個人的に面白いなと思える点が幾つかあります。
ガンダムはMS部隊を殲滅して抵抗がなくなった段階でモラリアが降伏信号を上げるのを待っているのですよね。攻撃時に巻き込んでしまったもの以外、基地施設への攻撃は行っていません。このことからも、ソレスタル・ビーイングの目的が決して皆殺しなどではないことを窺い知ることができます。
また、この戦いで死者は500人超だと言います。しかし100機以上ものMSを失った大規模な戦いでこの死亡者はむしろ少ないと言っていいのではないでしょうか。MS以外の戦闘兵器が投入されていなかったこと、MSがワンマン兵器だということも、死者数を抑えられた要因の一つなのでしょう。MSという兵器の、戦闘力以外の面での存在意義も見出せる部分なのではないでしょうか?
モラリアの無条件降伏なのですが、それにどのような意味があるのかを考えるとまた面白いですね。
今回の戦いは普通の戦争で考えればモラリアは侵略を受けた形なのですが、確かに兵力を失いはしましたが、では国としてそれ以上何を失ったのでしょうか?
主権を奪われることもなく、賠償金も取られない、国土も失わない。
ソレスタル・ビーイングは何も求めません。ただ戦力を駆逐しただけで、無条件降伏をした相手を放置して撤退してしまうのです。
ガンダムの介入がいかに異常なものなのか。考えていくといろいろと面白いものがありますね。

モラリアが非常事態宣言発令から無条件降伏するまで僅か5時間です。それだけの時間でガンダムはたった4機でモラリアの戦力を壊滅させてしまった訳です。これを見せ付けられれば、今後各国は今後迂闊に国内にガンダムを招き入れるような作戦行動は取らないことでしょう。

撤退後、ガンダムマイスター達は刹那の行為について問い質します。
ガンダムマイスターの正体は太陽炉と同じSレベルの秘匿義務があるのだそうです。太陽炉と同じレベルとなると、刹那の行為が如何に大問題なのかわかるというものです。コックピットから出て姿を見せるなんて言語道断ですね。
結局刹那は3人に何故そのような行為に及んだのかの説明はしませんでした。その為にティエリアと銃を突きつけ合うほどの事態にまで陥っています。
同じ頃世界の主要都市7箇所で同時多発テロが発生していますが、その報告を受けて今度はロックオンがティエリアと衝突です。
ロックオンはテロに対して並々ならぬ憎しみを抱いているようですが、ティエリアはそれもまた予想されていたこととして一笑に付してしまいます。
しかし刹那は言います。「その組織はテロという紛争を起こした。ならばその紛争に武力で介入するのがソレスタル・ビーイング。行動するのは俺達ガンダムマイスターだ」と。
マイスター間でこれほどの衝突が起こっているにも関わらず、刹那の言葉で彼らの心はまた一つになります。
個人的な想いは異なっていても、彼らがその理念については信念を持って挑んでいることがよくわかります。暴力に対して暴力を持って報いるという乱暴な方法ではあるのですが。

このマイスター間のやり取りで刹那というキャラを読み取る為のヒントが提示されていました。
ガンダムマイスターはヴェーダと呼ばれる存在(雑誌によるとコンピュータ)によって選ばれたのだといいます。選ばれたのには理由がある、と。その理由を問われた刹那は、自分の存在そのものが理由だといいます。自分は生きているのだ、と。どうも刹那は生と死について特別な考えと想いを持っているようです。それは幼少期の経験によるものでしょうし、神というものを強く意識していることにも関係しているのでしょう。この辺りがどう描かれていくのか楽しみです。

コメント (2)

るふぁーる:

7話の解説、お疲れ様でした。

お待ちしておりましたとも、ええ。
話は更に進んで登場人物の描写も進んできたみたいですね。
過去が明らかになっていくと段々登場人物の厚みも増していく感じで良い感じです。
人物像がはっきりしていない初期の頃はどうしても厚みが出てこなくて
会話の重みが良くわからなかったりします。
あとになってあの会話はそういう意味だったのかとかありますよね。
「ソレスタル・ビーイング」が今後何処まで踏み込んでいけるのかが楽しみです。
踏み込みきれないで自滅してしまうケースと言うのがチラついてしまって
気になってしょうがなかったりします。

でわでわ。

新庄聡美:

すみません、感想思いっきり遅れてます。
この時期は…コミケの準備がorz
新年の放送までになんとか追い付こうと思ってますのでまた読んで下さると嬉しいです。

00はキャラのドラマの前にまずどのような世界観なのかを先に伝える事を優先したのではないかと考えています。
内容的にかなり難しいものを扱っているので、その辺りを押さえておかないと、そもそもそのキャラがどういう考えで行動しているのかがわかり難くはあるでしょうし。
現在はキャラの過去が絡む話が展開されていますので、その辺りはよりわかり易くなってきていると思います。
00は伏線と思える描写が結構多いですし、一見意味が無いようなシーンでもメッセージ性が高かったりしますので、後で見直すと更に面白いだろうなーと今から楽しみです。
数話後に答え合わせみたいに説明してみせてもくれるので、リアルタイムで見ていてもとても面白いのですけどね。
ソレスタル・ビーイングがどこまで考えていてどこまで行くのかはとても気になりますね。
自らが滅びることを求めているようだという描写や台詞は何度も出ているのですが、それを素直に受け取っていいのかもまだ判断をつけかねています。
スタッフがどこまで考えているのか……。
今後の展開が非常に楽しみです。

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2007年12月02日 20:27に投稿されたエントリーのページです。

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